事業用太陽光、買い取り12円に下げ 発電事業者の競争促す【日本経済新聞2020年2月4日】

経済産業省は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)で、2020年度以降、太陽光発電(事業用)の固定買い取り価格を1キロワット時あたり12円と、現在の14円から引き下げる。安い価格で発電する事業者から順番に買い入れる「入札制」の対象も大幅に拡大する。高額買い取りによる育成からコストを重視した競争促進へ軌道修正を進める。


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4日に省内で開いた「調達価格等算定委員会」で委員長が案として示した。新価格は新規の買い取り契約が対象で、3月末までに正式決定する。

FITは再生エネで作った電気を大手電力が一定期間、同じ価格で買い取る制度。費用は消費者の電気料金などに上乗せされる。太陽光発電の普及に伴って消費者の負担が膨らんでいるため、経産省はパネルの設置費用などの動向を踏まえて価格を見直している。

10キロワット以上の事業用太陽光は買い取り方法が大きく3パターンに分かれる。50キロワットから250キロワット未満の事業者は、買い取り価格が現在の1キロワット時あたり14円から同12円に下がる。発電した全量が買い取り対象になる。

10キロワットから50キロワット未満の小規模事業者は同13円に設定するほか、発電した電気を自分で使った後に余った電力のみが買い取り対象になる。発電した電気のうち最大50%までを買い取る。

経産省は「自分で発電した電気を使うことで、電力会社から電力を購入するコストが低減される分を考慮した」とする。台風によって千葉県で起きた長期間の送電停止などで、電力会社に頼らずに地産地消する分散型電源に注目が集まる中、自立した電源を増やして災害時の活用も促す。

250キロワット以上の事業者は固定価格の買い取りではなく、入札制にする。これまでの500キロワット以上から対象を拡大する。19年度のFIT認定件数(推計)では500キロワット以上が90件だったのに対し、250キロワット以上は1066件で、対象が大幅に広がる見込みだ。

10キロワット未満の住宅用太陽光は21円と、19年度の24円(一部地域は26円)から下がる。

政府は20年の通常国会で、FITの関連法の改正案提出を目指している。改正案では中規模から大規模の太陽光や風力を念頭に、再生エネ事業者が自ら販売先を見つける代わりに市場価格に連動して一定の補助を受ける「FIP」と呼ばれる新たな入札制を始める方針だ。開始時期は決まっていない。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55238860U0A200C2EE8000/
http://archive.md/j3HK0