三重)太陽光発電施設を抑制 四日市市が開発規制強化へ:朝日新聞デジタル

四郷風致地区。住宅地に隣接した丘陵地(右手)に豊かな緑が広がる=2019年11月7日、三重県四日市市室山町

 太陽光発電施設による景観や環境への影響が指摘されるなか、三重県四日市市は、都市における良好な自然的景観を維持する目的で定めている「風致地区」での開発行為について、規制を強化する方針を固めた。土地を造成する際の「緑地率」を高めることを視野に入れて、関連条例の改正に向けて動く。

 風致地区は、都市計画法に基づく土地利用の一つ。四日市市では1976年、市南部にある丘陵地が「四郷(よごう)風致地区」(122・8ヘクタール)に指定された。74年7月の集中豪雨で、河川氾濫(はんらん)などの大きな被害があり、水源を涵養(かんよう)する山林の保全が重要視されたことも指定の要因だったという。

 その後、市は約7億円をかけて散策路や広場、休養施設などを整備した。その地区内では現在、森林を伐採して太陽光発電施設を建設する計画が4カ所(計約2・5ヘクタール)で持ち上がっている。3月には、2社による連合体が総発電出力などを記した「事業概要書」を市に提出した。

 これに対し、地元住民らが、計画に慎重な対応を求める請願を市議会に提出。この請願を市議会が10月に採択したため、市は対応を迫られることになった。

 四日市市は昨年3月、地域住民との十分な合意形成などを業者に求める「太陽光発電施設設置ガイドライン」を策定。だが、市環境保全課によると、強制力はなく、指導・助言にとどまるという。そこで、条例改正の案が浮上した。

 各自治体が政令に基づいて定める条例で、風致地区での建築や土地の造成、樹木の伐採などの開発行為は制限されている。四日市市では現在、「建物の高さ15メートル以下」「土地造成は敷地に対する緑地の割合を30%以上にする」などの基準を設けている。

 このうち、市が検討しているのは、「緑地率」の引き上げだ。政令では緑地率の上限が60%まで認められているため、今後、この範囲内で具体的な値を検討する。条例改正の時期などは未定だという。

 緑地率を引き上げれば、太陽光パネルなどの設備の設置面積が減り、事業者の用地選定の判断に影響する可能性もある。市都市計画課の担当者は「風致地区制度は、建築物や宅地の造成などを想定してきたが、社会状況の変化に伴い、想定外だった土地利用が課題になってきている。都市部の自然を保つには、新たな対応が必要だ」と話す。(黄澈)
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