四日市メガソーラー計画 県、業者にサシバ営巣域保全勧告 20ヘクタール以上 /三重【毎日新聞2019年3月24日】

 四日市市の南西部に広がる里山で計画されているメガソーラー事業を巡り、県が先月、計画地に営巣する絶滅危惧種のタカ「サシバ」の生息に支障を及ぼす恐れがあるとして、営巣木を含む樹林帯20ヘクタール以上を残すことなどを開発業者に勧告した。県自然環境保全条例に基づく異例の行政措置で、サシバが絶滅の恐れのある種のうち、特に保護が必要な県希少野生動植物種に追加指定されたことが影響したとみられる。

 対象事業は、「四日市足見川メガソーラー合同会社」(東京)が同市波木町など3地区にまたがる足見川沿いの丘陵地約98ヘクタールに計画している発電規模約50メガワットの太陽光発電施設。計画地は南北に走る県道を挟んで東西に大別され、約6割を占める東エリアの南側にサシバの営巣木がある。

 業者は条例に基づく開発行為届出書などで、東エリアの一角に約5ヘクタールの保全林を設け、その中に人工の代替巣を設置することで生息環境を最大限保全するとしていた。営巣木は伐採対象の改変区域に含まれていた。これに対し、勧告書は「約5ヘクタールでは営巣する可能性が高いとは言い難い。営巣木から半径200メートルの範囲も含め、少なくとも20ヘクタール以上、南側の斜面林を残すべきだ」とし、代替巣についても「急激な環境改変を伴う中でサシバが代替巣を利用する可能性は低い」としている。

 業者側は弁明書で、東エリアの保全林に、丘陵地から離れた樹林帯も加えて20ヘクタール以上確保する案も示したが、「樹林帯までの距離が遠い」(県みどり共生推進課)などの理由で認められなかった。

 サシバは近年、開発など人為的な影響で個体数の減少が著しく、昨年3月に県希少野生動植物種に指定された。同課の担当者は「今回の勧告はサシバが希少種に指定されたことも背景にある。専門家の意見を聞いて特に保全措置を求めた」と説明した。

 勧告を受け、四日市足見川メガソーラー合同会社の開発担当者は、毎日新聞の取材に「県と協議しながら、基本的に勧告に従って対応していきたい」と話した。届出書の内容を見直し、変更手続きをするとみられる。勧告の対象エリア以外の場所では既に伐採を始めている。【松本宣良】

〔三重版〕
https://mainichi.jp/articles/20190323/ddl/k24/040/187000c