太陽光事業者に積み立て報告義務 パネル廃棄費用【日本経済新聞2018年2月22日】

 日本で導入が拡大する太陽光パネルが大量廃棄されるのを見据え、経済産業省が対応に乗り出す。2018年度から発電事業者による廃棄費用の積み立ての報告を義務化し、進んでいなければ改善命令を出せるようにする。中長期的には第三者が外部で積み立てる制度の導入を検討する。費用を十分に確保していない事業者が多いことを踏まえ、将来の不法投棄や放置を防ぐ。

 太陽光パネルの寿命は25~30年。太陽光発電は東日本大震災後の12年の固定価格買い取り制度(FIT)導入後に広がったため足元の廃棄は多くないが、30年代以降に大量廃棄が見込まれる。環境省の試算では40年前後には約80万トンとなり、現在の産業廃棄物の最終処分量の6%に相当する。

 FITの買い取り価格には廃棄費用として建設費などの5%が計上されている。ただ実際の費用の積み立ては努力義務にとどまり、積み立てをしていないか、後回しにしている事業者は全体の6~7割に上る。積み立て計画と進捗状況の報告を義務付けることで制度に実効性を持たせる考えだ。

 現行のFIT法の関連法令では、発電事業者は発電設備の運転にかかった費用などを毎年報告する義務がある。これに計画と進捗状況を合わせて記載するよう求め、公表する。積み立てが計画通りではない場合は経産省が指導をしたり、改善命令を出したりできるようになる。

 経産省によると、対象は自己所有の空き地などを活用する「非住宅」の約80万件。太陽光発電は火力や原子力と異なり参入障壁が低いため、小規模事業者が多く事業主体の変更も少なくない。このため放置や不法投棄が増えるのではないかとの懸念が出ている。パネルには鉛やセレンなど有害物質が含まれる。

 経産省は積立費用の義務化に加えて、18年度から5%分を公的機関や業界団体など第三者があらかじめ徴収して積み立てる制度の検討を始める。足元では借入金の返済などを優先して、積み立てを後回しにする事業者が多く、確実な廃棄に備える。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2720062021022018EE8000/

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